お盆提灯、選ぶなら大内行灯?それともモダンなデザイン?

公開日:2019年6月17日
お盆の飾り方については、「ご先祖さまと過ごす作法 お盆とお盆飾り」をごらんください。
お盆はいつから始まる?
今回はお盆提灯に焦点を当て、各商品について掘り下げてみました。

新暦では7月13日から、旧暦では8月13日からお盆、盂蘭盆会(うらぼんえ)の期間に入ります。
さかのぼって1か月ぐらい前から、仏壇店やスーパーマーケット、花屋などで、お盆の関連商品が並び出します。
お買い物の最中にこうしたお線香やお供え物が並び始めたのを見て、季節を感じる方も多いのではないでしょうか。
昨年のお盆に入る前頃以降にお亡くなりになった方が出たご家庭が初めてお迎えするお盆を、新盆または初盆(にいぼん、あらぼん、しんぼん、はつぼん)と呼びます。
既にご自宅にお仏壇があり、毎日ロウソクを灯して線香をあげる習慣・生活が身近なご家庭では、おそらくお盆を迎えるのに必要な品や準備なども引き継がれているかと思われます。であれば毎年お盆の時期になっても、さほど困る事はないでしょう。
ですが、最近では、身近な方が亡くなられて初めて、お葬式やご法要の準備、位牌や仏壇の用意など、これまで馴染みの薄かった仏事に突如直面し、目も回るほど忙しい中で、それまで意識されていなかったお盆という行事に改めて向き合う方も多いのではないでしょうか。
さて、お盆と言うと、皆様、真っ先に何を思い浮かべますか?
「おぼんちょうちん」!


これでしょう!
ころんと丸い、花の絵がかいてある火袋。中には明かりが灯っていて、提灯によってはくるくる回る回転灯が部屋を照らし、華やかな灯りが文字通り走馬灯のように駆け巡る……
畳の床に置かれた、長い3本足の提灯。いわゆる大内行灯(おおうちあんどん)タイプと呼ばれる形の提灯を想像されませんか?
もちろん、伝統的なデザインのお盆提灯も健在です。
しかし、マンションやアパートといった昨今の住宅事情に配慮した小さなコンパクトサイズや、コンセントがいらないコードレスの電池式、電球ではなく環境に配慮されたLEDを採用した長寿命タイプ、中には、一見してお盆提灯には見えない、まるでインテリア用の照明のような提灯まで、時代や人々のニーズに合わせて、お盆提灯にもさまざまな種類や形が今も毎年生み出されています。
今回は、今時のお盆提灯を少しだけご案内します。
白紋天は1回のみ使います
まず、今回のご案内から省く提灯のタイプは
- 各自独自の提灯
- 白紋天
この2種類です。

特に、新盆・初盆限定の白紋天(しろもんてん)は、真っ白い壷型提灯が基本で、最近では鴨居がなくて吊り下げられない住宅事情を反映した、床に置けるタイプの白紋天も種類が増えてきました。
ここからは、上の2つは別として、地域や宗派を問わず、毎年お盆の季節に飾ることのできるタイプの提灯を中心にご案内します。
3種類のお盆提灯
提灯は、
- 吊り提灯(鴨居や天井、軒先などから吊り下げるタイプ。壷型、御殿丸、住吉、博多長や灯籠など)
- 床置き行灯(床に置くタイプ。大内行灯や霊前灯など、一般的にイメージされるお盆ちょうちん)
- モダン提灯(形状や柄などが現代風なタイプ。置き方にはとらわれず、そのデザインは様々)
大別するとこの3種類になります。

吊り型のちょうちんは、上にも書きましたとおり、吊り下げるための場所が必要になります。
日本家屋のように壁や天井または柱に木材が使われていれば取り付けが容易ですが、マンションなど鴨居や引っ掛ける場所が元からないお部屋では設置自体が難しいのが難点です。
これらの問題を解決した高い位置から吊り下げるための専用の台や、吊り下げ用の台がセットになっているお盆提灯も販売されています。
ここからは、
- 大内行灯に代表される伝統型提灯
- モダンなデザインの現代提灯
この2種類の提灯をご紹介します。
一番知名度が高い、伝統型の提灯

大内行灯タイプの特徴
伝統型提灯は、真ん中に火袋があり、支柱と足で支える、床に置くタイプの提灯です。
火袋とは、提灯の中心にあたる部分で、螺旋状に巻かれた細い竹ひごの上から和紙、または絹が貼りつけられており、その表面には様々な絵柄が描かれています。
絵柄も家紋、あるいは花などの絵と柄を合わせたものなど、さまざまなバリエーションがあります。

提灯全体を支える支柱は、素材としてプラスチックや、一般的には天然の木材や唐木のような銘木が使われます。
材質が変われば支柱や足に施された柄や色味も異なり、提灯全体の印象も全く違って見えてきます。
選ぶ際には火袋の絵柄だけではなく、支柱や足といったところにも注目して見てください。

大きさにもいくつか種類があり、多くは9号、13号など、といった数字で表す号数で表記されています。
数字が大きくなる程、提灯自体も大きくなっていきますが、一般的には11号(高さ81cm×直径33cm前後)あたりのサイズがよく選ばれています。
提灯の価格差は理由があります
また、提灯のお値段は幅がありますが、
- 火袋の種類
- 支柱の素材
- 提灯の大きさ
ここが大きな理由です。

灯りをともす火袋にも、和紙張りのもの、絹張りのもの、和紙と絹を二重で張ったものなどと、構造的な違いが提灯ごとにあります。
また、素材も美濃和紙などの特殊なものが使用されていたり、描かれた絵も全て手描きで施されていたりなど、より上質で高級感のある提灯として仕上げられていきます。
支柱の素材には、比較的安価なプラスチックの他、天然木、黒檀や紫檀といった唐木などが使われます。
特に、高級家具や仏壇にも使われている唐木は今ではとても貴重になっており、こちらが使われた提灯は大きさを問わず価格は高めです。
しかし、お盆提灯は新盆の際の一度しか使わない白紋天とは違い、何年にも渡って長くお使いになる事を前提としています。
お値段が高価になるという事は、それだけ一つ一つに職人の手が込められているという証。
仏間や飾る場所によって置く事のできる大きさに限りはありますが、故人をお迎えする明かりとして、お盆を彩る提灯として、是非ふさわしい品をお選び下さい。
可能なら、対、2本飾ってください

盆提灯は本来、同型の提灯を2本並べて一対として飾るものです。
絵柄としては、左右同柄で、または左右対称になるように、あるいは物語性を持たせて2本で世界観が完結するようにデザインされているものなど、さまざま。匠の技をご堪能いただければと思います。

とはいえ、置く場所も考えると、なかなか対で提灯を飾るのも難しいですよね。
特に、大内行灯は縦より横、火袋部分の膨らんだ幅が想像以上に大きく感じられ、実際に置いてみると大きいです。
その時はもちろん、1本でお飾りしても大丈夫です。お飾りする場所も含めて、無理のない範囲でご用意ください。
発熱に注意、お盆提灯の電球

尚、大内行灯には中に廻転灯がついているタイプの提灯もあります。
これは電球が出す熱を力に変えて、電球を覆う色柄付きの筒を回す事で、灯した光を合わせて透かせた絵柄を映しだすというものです。
電球が熱を持ちやすいので、絶対に独自の回転灯を作って飾ろう……とはなさらないで下さいね。
提灯用の回転灯は、熱で変形あるいは発火しないように配慮した素材を使っています。

また、電球タイプは長時間使っていると熱がこもります、不用意に触れると思わぬやけどの元にもなります。また、複数個の提灯を同時に使っていると、知らず知らずのうちに室内に熱がこもってしまう恐れもあります。7~8月は1年で最も暑く、熱中症リスクも無視できない時期です。適切な換気や冷房にもご配慮下さい。
ちなみにLEDを使用した提灯では、回転させるための十分な熱が出ないため、回転灯付きのものはありません。あしからず。
デザインいろいろ 時代のニーズが形になったお盆提灯

伝統的な行灯の伝統美や匠の技はわかるけれど、お盆のシーズンしか飾れない……
単に見た目が苦手。いや、そもそも好きになれない……
最近新築したばかりの家のリビングに置くにはイメージに合わないし、仏壇もないし……
実家できちんとお盆の準備はしているから、自宅ではさらっとライトな感じがいい……
できればお盆時期に限らず通年飾れて、楽しめるデザインはないのかしら?
あります!
近年では、自由な発想からデザインされた現代的な盆提灯もたくさん発売されています!
一般的な提灯という画一的なデザインから外れたもの、リビングや寝室に置いても違和感のないもの、あまり仰々しくなく、それでいて伝統的な風合いを感じさせるものなど、そのデザインの種類は今もなお増え続けています。
大内行灯では型が決まっていることもあり、火袋にまんべんなく灯りが届くように設計された電球が採用されていることもあってコンセントにつなぐタイプがどうしても多くなってしまうのですが、コンセントから解放された乾電池タイプや、熱がこもりにくい省電力タイプのLEDを使ったものなど、おすすめポイントは挙げるときりがありません。
また、LEDタイプの提灯の場合、従来の電球のような高温になりにくいこともあって、火袋の装いにも変化をもたらします。
提灯によっては、ドライフラワーを挟んだもの、表情のある和紙を幾重にも重ねて灯りの雰囲気を楽しめるものなど、バリエーションに富んでいます。

そして、圧倒的に違うところはその外観です。
現代、モダン、インテリア、デザイン……そんな単語を用いて説明されることが多いだけあって、そのいずれもスタイリッシュな形の提灯ばかり。
例えば、省スペースに配慮された筒形の提灯は、2本飾っても圧迫感がなく、マンションなどの限られたスペースやミニ仏壇の両脇に置いても、全体のバランスを損なうことなくお飾り頂けます。
モダン提灯なら、対で飾るのを基本とするお盆提灯の約束事を、どんな場所でもきちんと果たす事ができます。
延々守られてきた伝統の約束事と現代の技術のいいとこどり。
これがモダンタイプの盆提灯最大の強みです。
電源やランプもさまざま、電球? LED? 乾電池やコンセントタイプまで

省スペースを生み出す鍵が、ACコンセントからの解放です。
単3乾電池を使用するタイプがとても多く、電源をどこで取るかといった問題や、部屋を横切るコードで足を引っかける心配もありません。
ただし、電池タイプは気が付いたら電池切れで灯りがともらなかったり、パワー不足で光の量が思ったよりなかった……となることもあります。
LEDなら長寿命ですので、フィラメントを使用した電球タイプよりはバッテリーはもちますが、お盆当日に万が一の事で困らないよう、予備の電池を用意された方が安心です。


中にはACアダプターでなければ灯せないデザイン(大きなタイプなど)もありますので、電源の仕様は事前にご確認下さい。

シーズンオフでも飾れる提灯

また、モダンタイプの提灯には、季節を問わず通年で飾る事のできるデザインの品も販売されています。
お盆のシーズンは仏壇や盆棚を飾り、普段はインテリア用品として部屋を彩り、楽しんで使う。
使う場面が広がるのも、魅力かもしれませんね。
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お盆提灯はある一定の時期のみ製造販売される季節商品です。
販売される時期はお盆が始まる前まで。お気に入りの柄が見つかっても、売り切れてしまったら、その年はお買い物できません。
また、絵柄提灯は、一見すると伝統的な柄にみえても、毎年新しい意匠の絵柄が登場しています。
お早目のご検討、ご購入をおすすめします。
